男性不妊の原因の約90%は精子の質や量が基準値に満たないことによるものです。しかし、精子の質を上げることは可能なのでしょうか?
精子の質を改善し、男性の生殖能力を向上させることは妊娠するための重要な要因となります。そのために健康的な生活習慣は、体全体の健康を向上させるだけでなく、生殖能力にも大きな影響を及ぼします。特に、精子の質を向上させたい場合、バランスの取れた食事が非常に重要です。
精子の質を高めるために特に注目すべき食事の要素、特に抗酸化物質について、どのような食品を摂取すれば良いのかを探ります。
精子の質は主に以下の4つの要素で判断されます。
精子の質を上げるためには、生活習慣の改善と栄養素の摂取が重要です。
以下に、精子の質を上げるために有効とされている栄養素と主な働き紹介します。
参考文献:※1~7
【番外】
リコピン:トマトジュースに含まれるリコピンが精子の運動率の上昇させる
KAGOME
これらの栄養素は、それぞれの効果や効能を知って自分に合った成分が配合されているものを選ぶことが重要です。また、サプリメントは医薬品とは異なり、副作用のリスクが低いとはいえ適切な使用方法や量を守ることが大切です。
精子の質を上げることは可能です。生活習慣の改善と適切な栄養素の摂取により、精子の質を向上させることができます。しかし、これらの方法がすべての男性に効果的であるわけではありません。個々の状況により、最適な方法は異なります。
参考に、必要な栄養素を含む食材を記載しますが、見ての通り、肉、青魚、ナッツ類、豆類、全粒粉、卵など、共通する食材がある事に気がつくと思います。
亜鉛
葉酸
ビタミンD
ビタミンC
ビタミンE
セレン
オメガ3脂肪酸ーオメガ3脂肪酸にはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、ALA(アルファリノレン酸)の3種類
L-アルギニン
L-カルニチン
抗酸化物質は、体内の自由基と呼ばれる不安定な分子から体を守る物質です。自由基は細胞にダメージを与え、加齢や様々な病気、そして生殖能力にも悪影響を及ぼす可能性があります。幸いなことに、多くの食品に含まれるビタミンC、ビタミンE、セレン、亜鉛などの抗酸化物質がこれらの自由基と戦い、細胞を保護します。
抗酸化物質とは、活性酸素の発生やその働きを抑制したり活性酸素そのものを取り除く物質のことで、ポリフェノール、カロテノイドなどの種類があります。
活性酸素は微量であれば人体に有用な働きをしますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。
厚生労働省 e-ヘルスネットより
ビタミンCとビタミンEが豊富なフルーツと野菜は、抗酸化物質の優れた源です。オレンジ、キウイ、イチゴ、ブロッコリー、アーモンド、ほうれん草などを積極的に取り入れましょう。
亜鉛やセレンなど、精子の質に良いとされるミネラルを含むナッツや種子も、バランスの取れた食事には欠かせません。
1日に10粒を目安にアーモンド、ピスタチオを食べるのが良いとされています。
全粒穀物には、ビタミンEや亜鉛、セレンなどの抗酸化物質が含まれています。全粒小麦パン、玄米、キヌアなど。
オメガ3脂肪酸が豊富な脂肪が多い魚(サケ、マグロ、マス)や、シーフード(かに、ムール貝、カキ)など。
オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと(厚生労働省)
精子の質を高めたい場合、食事は非常に重要な役割を果たします。抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に取り入れることで、生殖健康をサポートしましょう。これらの食品は、全体的な健康状態を向上させるだけでなく、生殖能力にも良い影響を与えることが期待されます。バランスの取れた食事を心がけ健康的な生活を送りましょう。
精子の質を向上させるためには卵子と同じく基本は、食事、睡眠、運動の規則正しい生活が基本です。
全ての食事を完璧にする必要はありません。できるだけ精子に必要な栄養素の意識すること、足りないようであればサプリで補うのも問題ありません。生殖に関して言えば、妊娠するまでが男性としての役割です。女性は妊娠してからも体調管理は必要ですが、男性は一生続ける必要は無いので今だけでも真剣に取り組んでみてはいかがでしょうか?