・通常の性生活を送ってもなかなかできない
・生理不順がありタイミングがとりづらい
・婦人科疾患がある
・高齢(35歳以上)
・低AMH
・セックスレス
などの原因(理由)がある場合、治療をお勧めします。
ここでいうタイミングとは、排卵の時期に性交渉をすることで、通常月経周期が28日の場合は、生理開始から14日目が排卵日となります。
※生理日数の数え方は、生理が来た日(出血がしっかりとみられた日)を1日目とします。
また、基礎体温・おりもの・可能であれば、排卵検査薬を使用してタイミングをとります。
・基礎体温は、低温期から高温期に移行する際一時的に体温が下がる時を排卵としてますが、その下がるときと排卵が一致する確率は40%と非常に低いこと。
・おりものは、クリーム色から透明に変化し、粘度が増した頃が排卵時期となりますが、おりものが少ない方もいるため全ての人に確認できるものではないこと。
・排卵検査薬は、反応が出てから(LHサージ)36時間後に排卵するとされていますが、検査するタイミングによって性交渉の時期がずれる可能性があること。
検査としては1日2回、朝夕と毎日同じ時間に検査する必要がありますが、日本製品は高価なため頻回の検査を躊躇してしまいがちです。そのため1日1回の検査ですとタイミングによっては24時間の誤差が出てしまい、次の検査の時はLHサージを過ぎている場合があります。
それに対し、外国製の製品は安価で本数も多く躊躇なく使え、1日2回検査が出来るため、LHサージのタイミングを逃す可能性が少なくなります。
※LHとは黄体形成ホルモンのこと、卵巣に働きかけ卵の発育を促し、LHサージ(急激なLHの分泌)によって卵が成熟し排卵します。
※外国製の排卵検査薬は、インターネットで購入が可能です。
LHサージは、上昇・ピーク・下降の山なりを示し、持続時間はおよそ48時間といわれています。
LHサージ開始からピークに達するまでは約14時間かかり、ピークの状態が14時間続いた後、10〜12時間で排卵(ピークから20時間かけて数値は下降)して平常時の数値に戻ります。
排卵はLHサージが始まってから約35〜44時間以内に起こり、平均すると約40時間以内となります。
このLH上昇のタイミングで排卵検査薬が正しく使用されていれば、検査結果は陽性となります。
もし、検査開始からすでに陽性の反応が出ている場合は、すでにLHサージが始まっているか、終わりにさしかかっているか、どちらかの可能性があります。
妊娠を望む場合は、なるべく早いタイミングで性交を持つことが望ましいでしょう。
排卵のタイミングを知るには、LHサージの開始時期をとらえることがとても大切です。排卵検査薬を使用する場合は連日検査をすることが、妊娠につなげる第一歩です。
回数的には6回程度試してみて出来なければ、一部産婦人科、もしくは不妊専門クリニックの受診をオススメします。
※通常、産婦人科では不妊治療を行っていませんので確認してから受診してください。
・タイミングを数回繰り返して出来ない場合
・性交障害
・男性因子(精子の量や運動率が低いなど)
・フーナーテストで問題がないこと
・卵管が通っていること
@生理がきて12日目頃に受診し、内診による超音波エコー検査で卵胞のサイズをチェック(卵胞が20o前後)、内膜の厚さなどで排卵日を特定し、人工授精を行います。
Aもしくは生理3日目から排卵誘発剤を(クロミフェンやHMGなど)使用して卵を育て、排卵を促す薬(HCG)を注射して確実に排卵させ、翌日受診して人工授精を行います。
B人工授精当日は、精子を自宅から持参するか、ご主人と共に受診しクリニックでマスターベーションにより精液を採取してもらいます。
C採取した精子を、洗浄・調整し、人工授精用の細いカテーテルを使って、直接子宮内まで挿入して精子を注入します。
D後日排卵確認のため受診します。
※クリニックにより異なります
Eこのまま14日経っても生理が来なければ、着床した可能性があるため、生理予定日を1週間過ぎたら妊娠検査薬でチェックして陽性反応がでていれば、クリニックを受診します。
生理予定日を1週間過ぎると5週目になるので胎嚢が確認出来る時期となります。
人工授精は一般の産婦人科では行われてはいないため、専門クリニックか一部の産婦人科で受けることが可能です。
産婦人科の領域ではありますが、不妊治療の専門とした生殖補助医療(ART)のクリニックで実施されています。
・タイミング、人工授精でも結果が出ない方
・早く妊娠したい方
・高齢(38歳以上)
・低AMHの方
・原因が分からない方
体外受精とは、女性から卵子を採り、男性はマスターベーションにより精子を採取し、体外で卵子と精子を受精させる事です。
◎ 採卵の方法には、
点鼻薬により排卵しないように調整し、連日注射を行い卵を複数個採る方法
内服(状態により注射)をして、数個の卵を採る方法
→毎周期採卵が可能
通常の月経周期で採卵するため、採れる数は1個
→毎周期採卵可能
があります。
※それぞれのクリニックにより、治療方針が異なります。
通常の月経周期では排卵される卵は1つですが、生理3日目より排卵誘発剤(刺激周期)を使う事により卵を複数個育てます。
血液検査によりホルモン値を測定し卵が成熟したら採卵となります。>
採卵した卵は、精子と受精させるのですが、
授精方法は
・媒精(ふりかけ法)
・顕微授精(ICSI)
の二通りあります。
卵や精子の状態,施設の治療方針により異なりますが、精子の状態が良くない場合は顕微授精で確実に受精させます。
受精した受精卵は、2日目の4分割の初期胚、もしくは5日目6日目の胚盤胞の状態で凍結されます。
・採卵して1つでもが獲得出来た場合、すぐに移植に移る場合
・いくつか受精卵を貯めて(貯卵)から受精卵移植する場合
があります。
※それぞれのクリニックにより、治療方針が異なります。
移植方法は、ホルモン補充周期と自然周期があります。
生理が来たら排卵を起こさないようにホルモン剤(飲み薬、塗り薬、膣剤、貼り薬など)により内膜を厚くして凍結しておいた胚盤胞を移植をします。
通常の月経周期と同じく内膜が厚くなるり着床の準備が出来るまでまで20日を必要としますので、移植はそれ以降となります。
通常の月経周期に合わせて移植を行うので、薬で排卵を止めることなく自然に排卵を待ち、排卵後5日目の移植となります。
詳しい内容は、それぞれのクリニックのホームページをご覧下さい。
聖隷浜松病院 リプロダクションセンター(生殖・機能医学科/総合性治療科)
ー 袋井 ー
可睡の杜レディースクリニック(人工授精まで)
ー 静岡市 ー
俵レディースクリニック
静岡レディースクリニック
菊池レディースクリニック
県立美術館前IVFクリニック
ー 沼津市 ー
岩端クリニック
いながきレディースクリニック
ー 三島市 ー
三島レディースクリニック
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